米10年債金利、上昇スピードが早い。
足元1.394%まで! 1.2%を越え、勢いがついてしまったかのよう。
一目均衡表週足でも今月クモを抜けて上へ。本格上昇基調だ。(図)
バイデン政権のコロナ対策、200兆円(1.9兆ドル)なら米のGDPの10%にも及ぶ。3月中旬頃までにこれを議会で通して、さらにこれを上回る規模のインフラ投資の経済対策を、その後まとめる意向もあると報道されている。
もしそうなら、両方でGDPの20%!クレージーな規模だ。
景気押上げ効果があまりに強烈で、コロナが収束に向かう中での実施は経済過熱・インフレを招きかねず、さらにFRBの過剰な金融緩和は非常時対応なので、早期に止めるべきだとの見方が強まるかもしれない。
株価にはよくない。
パウエル議長は火消しに躍起だ。
昨日も議会証言で「インフレの懸念に乏しいし、もしインフレになっても政策的に対応可能」と発言、NASDAQの急落を食い止めた形だ。
水準に明確な根拠があるわけではないが、1.5%超へまっすぐ上昇すれば
特にNASDAQにとっては厳しい。GAFAMの株価にモロ逆風だ。
世界に溢れ返るマネーの力で、そろそろ米債を買い支え、金利上昇を止めて欲しいところだが、期待インフレ率が2%を越える現状では、債券買いも入りにくい。
ただ、先日も指摘した通り、
「株売り、商品(石油・資源・穀物)買い」マネーによるインフレ期待が、
金利上昇に拍車をかけているようにも見える。市場心理によるマネーの力が
原因なら、パウエル発言も効くかもしれない。
バブル、インフレ等の金融・経済現象は、本格的に勢いが付いたら簡単には止められない。
集団心理、群集心理の産物だからだ。
議長の発言とは裏腹に、金融政策で簡単にコントロールできるとは思えない。
中間選挙までの2年内に成果が欲しい、バイデンの慌てぶりが、
パウエル議長を苦しめている。