市場のマンスリーのアノマリーでは、4月は例年よく上がる年。
そして5月はセルインメイ。下がるから売れ、ということがよく言われる。
だが今年は期待された4月が上がらず、5月は前半下げたが月末にかけ反発した。
例年安いとされる3月には高値をつけた。
今年は、例年と逆のリズムの相場だ。
4月の売りは需給、機関投資家の期初大量売りだ。
昨年度に大幅上昇したので、新年度入りに伴い期初に含み益を実現
させる動きが4月月中出続けたのだろう。生保、地銀あたりと想像する。
値動きが、場中にVWAPで売る売られ方だった。
ただ5月前半安値を境に、特にTOPIXは上昇相場に転換している。(前図均衡表)
ちょうどクモのねじれでローソクが上抜けている所が、おもしろい。
HCM堀古氏が”今年はバイインメイでは”と、以前言っていたが、
その通り5月が買い場だったのではないか。
足元は業績復調で今期PERの割安感が台頭したところにワクチン普及が市場をサポート。
日本株は底堅い。
今後についても、最近の市場予想では、専門家の多くが夏場の調整を示唆。
アノマリーでも8月、9月は下げる月だ。
FRBがテーパリング(金融緩和解除)へ本格的に舵を切るのは夏場だ、
ジャクソンホール(例年8/25あたり)だ、と皆勝手にうそぶいている。
なぜ夏か、明確な根拠のないコンセンサスが市場に出来上がっている。
だから、夏場は株は調整し安値を付ける、と。
しかしこれも、あやしい。
皆が同じことを言う時、相場はその通りにならない。
テーパリングは、既に市場に織り込まれ過ぎているほど織り込まれている。
緩和解除へ議論は始めても、FRBが重視する雇用はすぐ回復しない。
すぐに緩和解除はできないはずだ。
失業手当も米政府から出過ぎている。手当でむしろリッチになった失業者は
6月、9月の手当切れから徐々に雇用市場に戻ってくるので、
夏までに雇用改善を指標で確認するのは難しいはずだ。
今年の夏は、テーパリングへの過度な警戒が空振りに終わり、
一方で1Q後の決算発表で7月末以降業績の上方修正が相次ぎ、
サマーラリーとなってしまう(笑)、のではないか。
夏も例年と逆、かもしれない。