以前から当コラムで指摘しているが、米債市場の振幅が妙に大きく、
それが金融市場全体に必要以上に大きな影響を与えているようだ。
昨日もコロナの変異株が世界に広がり景気回復に水を差すとの見方から
米債はヨーロッパ時間に大きく買われ金利が低下、
(日本の緊急事態宣言発令に反応?!)そして
その幅の大きさに驚いて、”リスクオフだ”と言わんばかりに
株安と円高が起きている。
懸念は無いことはないが、しかし米債が動き過ぎだ。
一日で約0.1%(10bp)も金利が下がっている。
昨日は一時1.25%まで。
これは明らかに、米債市場のポジション調整が影響していると思う。
今朝のテレ東でもみずほ小林氏の上記の指摘があった。(表)
この四半期も債券は買われやすいとのこと。
米債市場ではまだ売りポジションが異常に溜まっているらしく、
金利上昇にベットしてきた多くの投資家がヤラれている。
彼らがポジション解消で債券を買い戻す動きが、債券買い=金利低下を進行させる。
普段は最もファンダメンタルズに沿って動くとされる債券市場が、
今はポジション解消の投機的動きに翻弄されている。
それに株と為替が付き合わされているようだ。
今月下旬の4-6月期業績発表まで、株はこの動きに振り回されることが
まだあるかもしれない。