昨日、中国、香港株、そして欧米株が下落。
今日は日本株と台湾株が下げている。感染拡大もあるが、中国由来の下げだ。
経済成長よりIT大企業への統制強化を優先する中国当局の姿勢が嫌気され、
Web関連銘柄が大きく軟化、GAFAMや日本の成長株等に逆風となった。
当局は一方で中小企業の振興、そして高騰する住宅価格の抑制に動くという。
習近平の3つの狙いが透けて見える。
1内循環
自国主義。西側諸国とは関係を深めず、GAFAMとも縁を切り、
自国中心にデータネットワークも構築。
アリババは中国内でビジネスせよ、国外に中国人のデータが漏れ、
人民のデータ管理に影響する、との考え。
グローバル企業は中国に不要、との発想。
2個人消費喚起
自国主義を貫くにあたり、投資過多に悩む中国は
個人消費主導にGDP成長の軸を切り替える他はない。
しかし大企業が成長する一方、雇用の受け皿の中小企業は疲弊し低賃金、
さらに異常な投資バブルで住宅価格が高騰。
中国の人民は消費に回す十分なカネなどないし、ろくな家にも住めない状況。
搾取し過ぎた人民を救う経済政策を打たないと、中国は成長できないのだ。
3反体制意見の抑え込み
14億人の中国には反体制勢力も当然多い。
これから台湾併合を目指し強引な体制変更に向かうつもりの習政権には、
体制への反感の感情をIT企業に向けさせる人気取りの政策も必要なのだろう。
少数の大企業より多人数の低所得の人民を配慮する政策は、裏を返せば
習近平の体制強化、締め付け強化、強権発動への準備、覚悟とも読み取れる。
海警法の制定など異常な法整備に留まらず、その準備は足元急ピッチだ。
これは一時的な動きではない。習近平の意思を感じる。
今後も折に触れマーケットを揺らすだろう。