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中国、暗号資産を非合法化

中国人民銀行(中央銀行)は昨日、

「暗号資産(仮想通貨)関連のあらゆる取引は違法で、禁止しなければならない」

と突然発表した。(bloomberg)

取引、情報提供、マイニングなど、全ての行為が対象のようだ。

 

来年といわれるデジタル人民元の導入を控え、

他のデジタル通貨や相当物は許容しないことを

事前に明確化する動き、のようだ。

ビットコインなど、暗号資産は当然下落した。

 

 

暗号資産は、合理的なバリュエーションの方法が存在しないため

(価値がいくらであるべきか、目安が無い)

投機にしかなり得ず、よって私は投資を勧めていないが、

世界の金融市場とは密接な関係がある。

 

株、債券、為替、商品市場が表の市場なら、

暗号資産は裏の市場。アングラ市場だろう。

金融の世界は、昔から”裏の世界”の存在無しでは成立して来なかった。

 

世界を見渡せば、自国通貨に信用が無く貿易取引に使えず

ドルなど外貨を調達するか、アングラマネー、または

ビットコインなどで取引をせざるを得ない国々・世界、は

常に多く存在している。

また、暗号資産は当然、マネーロンダリング等の犯罪にも利用される。

 

暗号資産市場は、世界の金融市場のリスクの高まりを敏感に反映するため、

投資の際にはウオッチすべき市場だ。

 

 

一方で、中国元の国際化は、現実的にはあり得ない話で、

中国がいくら国際金融の世界でプレゼンスを高めても、

社会主義国の通貨である以上、ドルに代わる世界の基軸通貨には

なり得ない。

 

中国人は国際感覚に長けた人ほど、元建てで資産を保有しようとはしない。

このような人々にとり、暗号資産は元に代わる重要なツールとなっている。

 

このようなアングラ市場を本格的に規制すると、

この市場なしでは生存できない人々に致命的な影響を与える。

 

中国政府は規制によって格差を是正し中間層以下を豊かにする

方針を掲げているが、暗号資産の非合法化は、富裕層の資産逃避に

一部効果を発揮する一方で、個人消費に悪影響が出ることとなろう。

 

これは「やり過ぎた投資に代わり消費主導でGDPを成長させる」

という習近平の目論見に逆行することになろう。

 

それにしても中国当局は、恒大の件といい、次々に

経済成長を犠牲にしてでも規制強化を優先する動きを見せ、

世界の金融マーケットを揺さぶってくる。

 

もしかして、意図的なのか?