今発表された大注目の米5月CPI、前月8.3%から8.2%に低下との
事前予想に反し上昇、8.6%だ!コロナ以降最高の伸び率を記録。
インフレは収まらない。ダウCFDは一時400㌦以上の下落で反応している。
そして、米FRBに続き、欧ECBもインフレ見通しを見誤った。
8%に迫る欧のCPI上昇率に対し、ECBはまだ金融緩和中。
これでは慌てざるを得ないだろう。
量的緩和終了直後、利上げを急遽7月から始める、とECBラガルドは
9日に宣言。欧市場は驚き金利急騰、株価は急落した。
なぜインフレがこんなになるまで、緩和を続けたのか。
「戦争はインフレの塊」
この言葉をラガルドは知らないのでは?!
ウクライナ侵攻の経済影響をもろに受ける欧は、
インフレが加速することは明らかだったのでは。
今の世界の金融政策の悲運は、FRBパウエル、ECBラガルド、共に金融の
専門家ではなく、このような難局を乗り越えられる能力に欠けることだ。
ECBは同時に新たな物価見通しを発表。
今年通年で6.8%、来年は3.5%とのことだが、ならば
今後どれだけ金利を上げるつもりか。
0%近傍から5~6%に一気に政策金利を上げるつもりか。
さもなくば、来年の3.5%など到底無理ではないか。
中立金利、といういい加減な概念を持ち出す向きもあるが、
インフレ時代に転換したのにそれ以前の中立金利と同じ水準で
考えてよいはずがなかろう。
バーナンキ、グリーンスパンの両氏に匹敵するような高い知見と能力が
どうしても必要な局面だ。現任の2人は判断と実行が、遅すぎる。
前任ECB総裁、マリオ・ドラギが懐かしい。
マリオも思い切った政策を断行できる非常に優れた総裁だった。
ドラギマジックでこの難局を切り抜けて欲しかった。
米欧株式市場からは、共に利上げ加速で資金が逃げる可能性が高い。
そして、その資金は、利上げ無しの日本株へと
避難することになるのではないか。