市場の大注目であった週末5月の米CPI、結果的に大きな転機となった。
それまで市場では、3月8.5%の上昇率がピークで、今後は
インフレ率は低下すると期待していた。
しかし、8.6%の上昇率(右;日経)。
インフレが収まる気配は消えた。
FRBは6、7月0.5%ずつの利上げ後、9月は一旦様子見に
なるのではと市場は期待していたが、その期待が
見事に裏切られてしまった。
金利もピークアウトを見越していた向きが裏切られる形となった。
利上げは続き金利も一段と上がる懸念が台頭してきた。
金利はどこまで上がるか、分からなくなった。
この意味は非常に大きい。
米株を安いとみて買いを窺っていた向きに、トドメの一撃だ。
さらにこの日発表されたミシガン消費者態度指数はなんと、
1952年来で史上最低のレベルまで落ち込んだ。リーマン時よりヒドイ(左)
ガソリン高騰など急激なインフレがマインドを急激に悪化させている。
米消費に、インフレで凄いブレーキが掛かり始めた。
当コラムで再三強調しているように、インフレは簡単に止まらない。
いつかピークアウトはしようが、大きく低下はできないだろう。
世界中で物価が上がり出し、互いの国に反響し合い出したのではないか。
欧米は言うに及ばず、新興国でも急激なインフレが一斉に始まっている。
さらに、戦争によるインフレ圧力と景気下押し圧力が追加的に加わっている。
市場はこの点を軽視している。
特に欧のインフレ圧力は相当激しいはずだ。
今後の経済指標がその点を明らかにするだろう。
欧米株、下げの第2幕が始まる。
欧米では政策金利がまだまだ上昇するので、
これでは欧米株には買う理由が無い。
GAFAM等成長株の下げが加速する。下げ第2幕、いよいよ本番だ。
今までの数十年の上げが長く大きかった分、欧米株の下げも、大きく長い。
「山高ければ、谷深し。」
「戻り待ちに戻り無し。」
日本株はどこまで抵抗できるか。大幅な円安は伴うものの、
既に長く大きく下げてきた日本株は、世界のリスクマネーの逃避先になれる。
岸田首相、よろしくお願いします。