今回のFOMCでFRBは+0.75%の利上げを決定し、
経済・金融の見通しを更新した。注目すべきポイントを以下示す。
【経済見通し】(下表:テレ東)
今年のGDP見通し 2.8→1.7%へ3月予想から大幅下方修正。
インフレ退治優先、景気に配慮するより利上げを急ぐ形。
QTも9月から月950億ドル、と本格化する。
つまり、「不況・株安は覚悟せよ、インフレ退治が先」
ということ。
【利上げ予想】
ドットチャートでは、FOMCメンバーは年末に3.4%までを想定。(上:bloomberg)
今年の利上げの実績・平均的な予想は以下。
3月+0.25%
5月+0.50%
6月+0.75%
7月+0.75%e
9月+0.50%e
11月+0.25%e
12月+0.25%e
(政策金利上限は、年末に3.5%の想定)
もし、10年債金利が現状と変わらず3.5%弱の水準
で年末まで推移すれば、年内に本当の『長短逆転』が来る。
つまり、スタグフレーションは、早ければ年末か来年初から、
始まるかもしれない。
【インフレ見通し】
来年のインフレ率予想、今年4.3%に対し2.7%まで下がる見通し。
3月予想比でGDPは大きく下振れしたのに、ほぼ変えていない。
FRBはここまでインフレを本当に抑えられるのか?!
そんなに引締めを徹底する気か。
逆にそれなら、来年は完全に景気後退だ。
株価・景気が犠牲になることが今回のFOMCで鮮明となった。
結果、来年にかけて米はスタグフレーションに大きく沈む確率大。
利上げ対応の遅れたFRBの責任は大きい。
・・急激なインフレとは、これほど厳しい。
「米株はいつ止まるか」などの問いは、愚問。
下げはこれから。谷は深く長い。