19日発表の独7月生産者物価、過去最大の伸び。前年比+37.2%。(上図)
ウクライナ戦争によりエネルギー価格の急騰が続いている
ことが主因だが、ちょっと想像できない。
辺境新興国の話ではない。
欧の中心、ドイツの異常事態。グラフでもよく分かる。
これから、消費者への価格転嫁が本格化する。つまり
津波のようなインフレ圧力が欧を襲う。まだこれからだ。
消費者物価上昇率は、既に英で10%を越えており、独は7.5%。(下図)
ユーロ圏全体で、今後10%を越えてくることも十分あり得る。
欧経済にこの冬以降、未曽有の悪影響を与えることになる。
昨日はユーロドルが再びパリティを割れた。まだ下がろう。
激しい物価上昇と厳しい景気後退。
欧のスタグフレーション、戦争が終息しなければ、収束しない。
さらに足元では、猛暑で域内物流の大動脈、ライン川が渇水し
物資の運搬に支障をきたし、さらなる供給懸念が物価高に
追い討ちを掛ける事態ともなっている。
どこまで悪化するか、程度が想像できない。
欧株は数年掛けて、どこまで下がるのか。
私は、「深刻なスタグフレーション=経済恐慌」と解釈している。
低成長・高失業の欧では、即座にそれは到来、早ければ年内からだ。
現段階では、終わりは全く見通せない。始まったばかりだ。
「欧米株の買い場は?」という問いは、当面、愚問だ。