英国で、女性新首相トラス氏の経済政策が、逆に危機を招いている。
財政が脆弱なのにも関わらず、大型の減税と財政出動
を本日決定した。人気取りのための間違った政策だ。
規模が大き過ぎ、英財政で賄いきれないとの見方もあるようだ。
また当然、英の年率10%に迫る激しいインフレが、さらに加速することになる。
緊縮財政を訴えていた対立候補、スナク元財務相が首相になるべきだった。
英国民の首相選挙での選択ミス、といえる。
目下金利は異常に急騰中(上、英10年債金利)、しかし逆にポンド安、株も下落。
つまり、債券、株、通貨のトリプル安だ。
これは、英国からの資金逃避を意味する。
欧州は危険、と当コラムでも伝えてきたが、英でもう危機が来た。
新首相自らが誤った政策でそれを早く招いてしまった。
真正のスタグフレーション危機を迎えた国は
最後トリプル安に追い込まれると考えていたが、
英で、スタグフレーションが来る前にトリプル安となってしまった。
英がクレジット危機、通貨危機に見舞われる可能性が一気に台頭してきた。
ブレクジットといい、トラス新首相の選出といい、
英国民は重大な判断ミスをし、自ら自国を苦しめているように見える。
易きに流れようとする民意が国を潰す。
民主主義、迎合政治の限界。