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トラス後も英金利に注目

英の新首相トラスが財務相の更迭を先週発表。

しかし、辞めるべきは自身だ。

このままではトラス政権はもたない。政治屋は去るべし。

 

英金利はこの発表で週明け一旦落ち着いた。(図;英10年債金利日足、8月~)

しかし、今後も注目だ。

 

英金利が急騰すると、英の年金基金のデリバティブのポジション

で最大25兆円もの評価損が発生する可能性もあるとのこと(Jモルガン推計、日経)、

また追証の発生で基金による資産の換金投げ売りが出た模様。

9月末に日本で一部主力株が底抜けしたが、その犯人がこの売りではないか。

 

しかし、英の年金基金がこんなにデリバティブに

依存する運用をしていたとは。こんな巨額の損に一気に見舞われる

可能性があるとは。

これから世界的に金利がまだまだ上昇するというのに。

 

金利上昇時代は、今後どこでどんな大きなリスクが

待ち構えているのか。

 

英年金に限らず、投資家・金融機関のポジションが

世界のマーケットを金融危機に陥れる可能性はある。

英年金のこの状況は、仮にトラスが辞任しても変わらない。

 

英は元々この冬強烈な物価上昇が想定されている。トラス騒動の前から、

年+10%のCPI上昇率は冬に+20%にまで急騰するとの見通しもあったほどだ。

 

物価に連れて英金利の急騰が起これば、年金基金の投げ売りは止まらない。

 

これから英の金利は落ち着くことができるか。

英中央銀行はもう、先週までの救済措置の国債買い入れは実施しない。

 

また、英金利を受けて動く米金利に注目だ。

先週末に大台の4%を引けで越えてきた。

今週の米株上昇は、このトラスの方針転換が背景だ。

それほど、英のリスクが米市場に影響していた。