秋口から今まで、景況悪化を示す指標が発表になると
長期金利は下がり株高、と市場は反応してきた。
しかし昨日は金利低下なのに米株大幅安。ついに逆の反応となった。
Xmasシーズンだが11月米小売売上が不芳、
前月比ー0.6%との発表だ。(図:Bloomberg)
自動車、家電や家具など耐久財が不振。
コロナ対策の失業手当等大盤振る舞い、の反動が出ているのではないか。
また昨日は、ECBが+0.5%利上げを実施し、ラガルドは来年も続けるとコメント、
欧株が急落したことも重なった。
相場は1つの転機を迎えた。
景気後退を本格的に織込む相場局面に突入した。
今までは、悪材料はインフレ抑制と将来の利下げを期待できる材料として
歓迎されてきたのだろうが、パウエルはFOMCで2023年末も5%超の
高い政策金利を維持すると明示した。
政策金利(短期金利)は下がらない一方で、
景気にはインフレと利上げで急ブレーキがこれから掛かる。
よって長期金利は先行きを懸念し低下してしまう。
今後は金利低下が株価を支える、とは市場が解釈しなくなりそうだ。
長期金利が下がるのは、景気の先行きが一層懸念されるから、と
判断され、企業業績の悪化、株安を連想させることになりそうだ。
短期金利は金融政策次第なので高止まり、一方で長期金利は景況を反映し低下。
短期が高止まりする中では株式市場には資金は流れにくい。
長期金利が下がるほど株価が下がる相場(あまり見たことがないが)が
始まったようだ。
これがスタグフレーション時代の現象、なのだろう。