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FRBのインフレへの懸念を無視する市場、が間違い

12月のFOMC議事要旨(4日発表)でFRBは、

今年末の利下げを見込む市場に釘を刺した。

「インフレは簡単に鎮静化しない、だから

年内利下げを見込むのは筋違い」と。

FOMCメンバーで今年利下げを見込むのは1人もいなかったらしい。

 

しかし市場はこのFRBのインフレへの懸念を無視している。

発表後4日は株価も下がらなかった。

足元の急ピッチな利上げによる景気悪化でFRBは年内に利下げを

余儀なくされる、と市場はみている。

だが、それは違うのではないか。

 

FRBは景気を最優先して政策を決めてはいない。

物価が最優先だ。

物価が本格的に下落基調とならない限り

景気がいくら悪くなっても利下げに転じることは無い。

パウエルは昨年春、そう宣言したではないか。

 

では景気が悪化しても物価が下がらない、という状態はあり得るか。

 

あり得ると思う。

 

そもそも、今回のインフレ時代への転換は

コロナ禍と戦争が大きな理由だ。景気の過熱が原因ではない。

 

そして一旦インフレモードにマインドがセットされると

簡単に元には戻らない。

賃金が上がる欧米では、物価上昇は止まりにくい。

 

FRBは間違えてばかりいるから、信用されなくとも仕方ないが、

私はこのFRBの懸念は正しいと思う。

 

少なくとも目下米労働省が見込んでいる2024年までの物価シナリオ(図)、

約1年後にCPIが2~3%、という見立ては、あまりにも楽観的過ぎる。

賃金、家賃、食品のインフレがそこまで下がるだろうか。

 

このグラフは間違っている、と私は思う。

マーケットはいずれまた、失望する。