佐伯祐三の家の壁面、たまらない!!
画家には珍しく相当なイケメンだ。(笑)
いつも行く国立近代(竹橋)で1枚の画(下「ガス灯と広告;自写」)を何度観たか。
今回東京駅、ステーションギャラリーに佐伯祐三作品が大集結!
大阪、中之島美術館が相当数所蔵しているが、他にも
各所から集めた最高の展覧会だ。
30歳で逝去する画家の画をよくこれだけ集めてくれた。
2005年にもこのような大規模な回顧展があった。
私は、新宿下落合の自宅を訪れたこともある。
(現在保存展示、入場無料)
家の壁などの重厚感、重なる汚れ、質感と時間が感じられる
彼の画に、最近強烈に惹かれている。
30~40歳の頃には、見ても何も感じなかった。
佐伯は壁など物質の質感・時間の経過の描写に拘るが、
その前、佐伯はとても色彩豊かな画を多く描いている。
強く明るいコントラストもとても素敵だ。(右;自画像1923 神奈川県立近代美術館)
色を選び置く、色の才能が元々非常にあったことがよく分かった。
(この写真では色の瑞々しさが全く分からないが)
佐伯はパリでブラマンクに
光で変化する色彩でなく、物質感、物質そのものの色を描け、と
指摘され、不透明に色を重ねるように一変した。
モノの重厚感が描かれているのが確かに魅力なのだが、
鮮やかな色彩も素敵だ。
また、描くスピードが早いことが想像される。
隅々まで絵具を置いてない画が多い。
画は最晩年、亡くなる1928年の「扉」。(左画)
この画、知らなかった。
こんなに存在感のある扉の画を、私は他に知らない。
ジッと鑑賞した。重みと味わいのある扉だ。
どこにもある扉、古い味わいのある扉もあるが、
それをどう画にすると、長時間の鑑賞に耐える絵画になるのか。
本物を観ないとこの迫力は全く分からない。
この画を観に行って、感じて欲しい。
ジッと観るのだ。人は多いけど、何度も様子を窺って(苦笑)。
最晩年なので、最後に展示されている。何度もこの画の前に立った。
3時間は居たが、また行くかもしれない。あるいは、
大阪、中之島美術館に行くかもしれない。(4月から同展)