いつかは来る、来なければならないと
思っていたクレジットリスク。
ある意味、やっと来た。
米シリコンバレーで新興企業を支えていた銀行、
シリコンバレー銀行(SVB)が危機、預金減(前図:日経)。
増資で資金を集められず株価が6割下落。
結局10日(日本時間11日朝)には破たんした!
日米銀行株が急落している。
リスクオフの展開で、金利は大幅低下。
この日は大注目の雇用統計の発表があった。
失業率は前月3.4→3.6%に、
平均時給は前月+4.4→+4.6%と加速したが
予想4.7%は下回った。
そのプラスインパクトを、SVBが吹き飛ばした。
よく考えて欲しい。今は金融引締めの最中。
”引締め”なのだから、銀行の融資態度が大きく変化するのも当然。
銀行は貸さなくなる。
今まではゆるゆる甘あまな審査だったのだ。
信用創造が逆回転するのは当たり前。
さらに金利上昇で銀行が保有する債券の価格暴落も銀行損益を直撃する。
SVBでも含み損が急拡大したのだ。
これは他行でも同様なので、決算は心配だ。
さらに暗号資産の世界でも、取引所の大規模な破たんがあったばかり。
これもクレジット市場へ影響するのでは、と、ずっと思っていた。
SVBが暗号資産と関係あるかは分からないが、今後は
暗号資産関連でも何かあるかもしれない。
米金融機関は急激に貸し渋りだしている。(上画:ソニーF)
中央銀行が急激に引締めを行ってきたことが金融、経済に
本格的な悪影響を及ぼすのは、これからだろう。
甘く見てはいけない。
そういえば今は3月。期末だ。
クレジット系のこの手の話が、最も出て来やすい時間帯だ。
今回やはり、無風では済まされなかった。
今後「次はどこ?」探しが始まる。
大手銀は殆どが健全行で問題なし、だが中小銀、さらに
投資ファンドなどでは何かあるかもしれない。
野村がやられたアルケゴスキャピタル、を思い出す。
しばらく市場が落ち着くのは難しいか。
新興のシリコンバレー企業にも相当な痛手になり得る。
資金の出し手の問題は、彼らの首根っこを閉めることになる。
日本企業にも影響はあるだろう。