アメリカにクレジットリスクが迫っている。
米銀問題とは別のリスク、財政リスクだ。
米国債のクレジットデフォルトスワップ(画:CDS 5年)の上昇がそれを表す。
CDSとは、企業や国などの破綻リスクを売買するデリバティブ(金融派生商品)。
投資対象の破綻に備えた保険の機能を持ち、料率の上昇はリスクの上昇を意味する。
6月中旬にかけて債務上限問題が顕在化するためだ。
議会で債務の上限改定が可決されないと
米国債がデフォルトすることになる。
過去2011年8月にこの懸念が台頭し、デフォルトは
避けられたものの、米国債がAAAからAA+に格下げになり(8/5)
金融市場は大混乱になった。
米共和党は、先日下院議長を決める際にも、党内が分断しまとめられず
大混乱したくらいだ。財政拡張に反対する議員も多い。
バイデンが上限引上げの法案を、その共和党の混乱を越えて議会で通すのは至難。
今後市場でも、頻繁に話題になるだろう。
CDSの上昇は、格下げ時と同程度まで進んでいる。
その難しさを市場は現時点で既に見越している。