日経20日掲載の
「3月期本決算の主要上場企業1667社(新興市場など除く) 集計」
この表は株式投資に極めて重要だ。
四半期決算後の集計、年4回しか掲載されない表。
注目したことは、おありだろうか。
各業種の1年後の見通しの集計では、これが最初の最も早い情報!
各企業の今期予想をまとめたものだ。
今年を占う最初のとても貴重な情報。読み込まねばならない。
週末、よーく観て欲しい。
株メンターが簡単に解説してみよう。
終わった23/3期
売上+16%、純利益+1.3% ギリギリの微増益
資源高、ゼロコロナ他で苦しかった中国の影響を受けた製造業を、経済再開等で堅調な非製造業が埋めた。経済再開とはいえ、売上が+17%もの高成長なのは目を引く。
内訳
製造業+16%、▲7.8%
非製造業+17%、+11.4%
【製造業減益】:素材の減益幅が大きかった。
非鉄▲33%、化学▲15%、食品▲16%、繊維▲40%、他。
加工組立は電気、精密、自動車が各4%程度減益と、率は小さかった。
【非製造業増益】:鉄道の黒字転換、商社の増益、が大きかった。
電力は資源高で赤字、通信がソフトBKの影響で大幅増。海運も増益が続いた。
商社+19%、建設+11%、不動産+9%、小売+4%、他。銀行も+4%、増益だった。
1年後24/3期e(予想)
売上+0.7%e、純利益+3.0%e
期初予想は保守的になりがちだが、期初から企業側は微増益予想。
人件費等相当なコスト高もあろうが、インバウンドの回復、そして値上げが織り込まれていよう。
内訳
製造業+1.9%、+3.8%
非製造業▲0.6%、+2.2%
【製造業増益e】:明暗分かれる予想。
化学+11%、食品+20%、精密+52%、紙12倍 ⇔ 鉄▲17%、非鉄▲18%、石油▲27%
昨年厳しかった製造業の、中国回復や値上げによる回復が期待。一方鉄は反動減、非鉄・石油は資源価格低迷の影響も。
【非製造業増益e】:電力の黒転大きい。鉄道、通信、銀行も増益予想。商社・海運は反動で減益。サービスが連続で減益予想。
電力黒転、通信2.6倍、鉄道+10%、銀行+10%、小売+4% ⇔ 商社▲15%、海運▲78%、サービス▲12%
今期eのこの数値をみれば、どのセクターの銘柄が有望か、目安がつくというもの。
前期良かった業種は注意。
例えば商社は前期絶好調、だから今期は増益のハードルが高い。
ただ、会社も控えめな数値を今は予想で出すだろうから、
今年も好調でそこそこ前期と変わらない高い利益が出せるとなってくれば、
株価は堅調が維持できるのではないか。
付言
やはり今後の業績のポイントは「値上げ」。
日本も変わるもので、どの企業も始めた。今年も、今後も続くだろう。
最初から大きく織込む企業は少ないかも、ただ企業利益への影響はてきめんだ。
数量があまり落ちなければ値上げ奏功で利益上ぶれ、の可能性大。
いやあ、賃上げが続かなけりゃ値上げしても売れないよ、との声が聞こえそうだが、
私は日本企業の賃上げも続くと思う。時代は変わる。
人材が確保できないからだ。賃上げしないと
今の従業員をつなぎとめるのも難しくなろう。
そうなれば、渋い日本企業でも給料は継続的に上がる。
皆さん、「そんな、ウチは無理ムリ」とか、思ってませんか。
今後日本は慢性的な人手不足となる。
団塊の世代の退職の大ウェーブが来ているからだ。若者は少ない。
頭数が足りなければ、仕事はできない。
経営者は賃上げして人材を確保せざるを得ないのだ。