米債務上限法案、議会をあっさり通過し、
週末雇用統計は強弱まちまちだったものの
あく抜け感からダウ700㌦の上昇。
ひとつのヤマ場は越えたが、これからの注目は、やはり金利だ。
1月ほど前は、5月で利上げは停止、秋には利下げに転じ年内3回利下げ、
がコンセンサス、だった。私はそんなのある訳ないと言い続けてきた。
今の市場コンセンサスは、今月か来月にもう1回利上げし年末に2回利下げ。
少し是正されてきたが、まだ足りないと思う。
経済指標次第では利上げはあと1回で済まないかもしれないし、
上げた後年内は据え置きで、利下げは出来ないだろう。
意外に堅調な米景気は年後半には悪化に向かい、雇用環境も絶好調の現在から
微妙に悪化を始めるだろう。しかしそれでも利下げは出来ないはずだ。
インフレ圧力は、簡単に収まらないからだ。
一度上昇を始めた賃金は、簡単に伸びは鈍化しない。
賃上げをペースダウンしたら、米では既存の社員をつなぎとめておくことも
出来ないからだ。それほどの人手不足であり、労働需給の大き過ぎる
ギャップは簡単に解消しない。
また、政策金利とは別に10年債などの長期金利の居場所が問題だ。
年内利下げが難しい環境であることが明らかになるにつれ、
短期金利同様、長期金利も上昇することがあり得る。
言い換えれば、
景気が悪化するのに長期金利が低下しないリスクだ。
債務上限問題を越えて、米市場の注目はまた、10年債金利に戻ることになる。
(画:2年週足)
為替も株も金利次第。