日銀、物価上昇を放置できなかったようだ。
7月の政策決定会合で事実上、超緩和政策の修正に踏み切った。
YCC解除も、利上げも、していないが、
10年債の変動幅は0.5%まで、と厳密に縛るのでなく、
対応を「柔軟化」するとのこと。
日銀は修正と言っていないが、市場は今後緩和修正と受け止めて動くだろう。
為替は財務省マターで日銀の専管事項ではないが、
円安を食い止めたいとの政府・財務省の意向を
日銀が汲んだのかもしれない。
(政府から要請があったかもしれない)
植田新総裁、発言としては7月の政策変化はないと
否定していたに等しいので、今回の対応を
”だまし討ち”と捉える投資家はいるかもしれない。
市場との対話で、この総裁も今後苦慮するのではないか。
発言に注目するより、金融環境や日銀の立場に気を配る方が当たりそうだ。
再度の円安を政府・財務省が憂慮していた点がヒントなのだろう。
いずれにしても、植田総裁の”性格”がこれで分かった。
言葉と行動は違う。そういう人だ。
(日経のこのカット画、おもしろい 笑)
しかし会見では素直に、「物価見通しは当たらない」、とか正直な事も言うようだ。
あるいは、日銀総裁とはそもそも、発言と行動が一致させられないものなのだ、と
認識した上で引き受けた、のかもしれない。
いずれにせよ、まあ立場上やむを得ないこともあろうが。
昨夜の米株は、早朝午前2時の日銀政策修正日経すっぱ抜き報道を機に
下落に転じたようだ。そんなに影響を与えたのだろうか。
ただ、日本でも金利が上がることを、GAFAMなど米成長株は
嫌ったようだ。
今回の日銀の政策変更は、為替を円高へ、そして世界の株式市場をも変調させる
きっかけとなるかもしれない。