カタール。
面積は小さいが、中東の強国、大国。
サッカーWCでは、LNGマネーで開催国になれた。
LNG生産の大国なのだ。
輸出シェアは近年世界一、ライバルは豪。
ただ昨年は急伸した米に抜かれた。(上図:bloomberg)
・・商品市況を見ていて、どうもおかしい、下がり続けるなあ、と
ずっと違和感を持ってみていたのが、LNG市況だった。(下図 5年)
原油が上昇するのに、連れて動くLNGが、足元も下がり続けている・・。
理由が分かった。
カタールが大増産しているらしい。(日経)
欧、特にドイツは、近年エネルギーをLNGに大きく依存するようになった。
脱化石燃料、をロシアのLNG、に求めたのだ。
ところがウクライナ戦争開始で、独はロシアとのパイプラインをシャットダウン。
他国から輸入せざるを得ない状況になった。
2022年夏、一時LNGは急騰、欧の激しいインフレの原因となった。
そこで、カタールの出番となった。
欧のインフレが今、回避できているのは、この1国の大増産のお陰で
相場が上昇しなかったからだ。
また、2023年、今年と欧は異例の2年連続の暖冬だったこともあり、
LNG需要もあまり盛り上がらなかった。
ただ、一度大きなシェアを獲得したら、カタールは一転豹変するのではないか。
そのための大増産だろうから。
戦争で、欧はカタールに首根っこを押さえられつつある。
最近の中東情勢の悪化で、LNG船の航行に影響が出てLNG価格が
反発し始めているらしい。
米はインフレを収めることが難しくなりつつあるが、
欧のインフレも、本当に収束できるか、見ものだ。