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新NISA オルカン売って Jリート!

転載「FP E-PRESS 連載 第81回」(2/12号)

今月の私の記事です。

 

テーマ

第81回「新NISA オルカン売って Jリート!」

 

皆さんこんにちは、株メンター梶井です。

投資教育者として、皆さんの資産形成にストレートに役立つコラムを、元運用者(FM)の経験知をもとに、連載しています。

今回は、新NISA時代に間違った投資をしている多くの皆さんに、再度警告します。

第81回は「新NISA オルカン売って Jリート!」です。

 

 

【“新NISAはオルカン”の間違い】

 

インフレから資産を守るため、新NISAを活用した資産形成を行うことは誰にとっても必須です。

しかし、テキトーに何か買えば良い、のではない。

日本の将来が悲観的だから、海外株の方がまし、といった安直な発想の方、いませんか。

オルカンを買った多くの素人の皆さんに、警告します。不十分な知識で、ハイリスクな海外株投資をよく始めましたね。

 

皆さんはドル円相場の将来を予想出来ますか。

円高時代に転換したら、オルカンは損をするのですよ。

 

円安トレンドは終了しそうです。

トランプは、ドル安円高を希望しています。彼の支持母体である米の製造業等が、ドル安だと輸出で儲けやすいからです。前回も彼の時代はドル高にはならなかった。

 

さらに、米株は今、非常に割高なのをご存知ですか。

ただ、AIバブルで余計に上昇した相場も、NVIDIA株の調整入りで終了しそうです。

(NVIDIA株については私のサイトコラムを参照)

皆さんは、米株市場を正しく予想する力がありますか。実力不十分なら、オルカンを買う資格は無いと思います。

今まで素人の皆さんが新NISAでうまくいったのは、完全にビギナーズラックです。たまたま、昨年初からドル高と米株高が同時に起きただけ。

 

トランプ政策は、関税・減税等ドル高を誘発するものばかりですが、当の本人はドル安希望です。彼の考えは今や、米政権の意向です。為替政策で米政権の意向が明確に示されたら、経済・金融の環境がどうであれ、ドル円相場は政権の意向通りに動かされてしまいます。

 

オルカンはむしろ、今が絶好の売り場、でしょう。

私がもし持っていたら即、全売です。

買い場は当面来ない。

 

 

【インフレ時代はまずインカム投資】

 

では、新NISAで何を買えばよいでしょうか。

 

コロナ禍を越えて、時代はデフレからインフレに入りました。過去の超長期サイクルから分析すると、今後少なくとも20年はこのインフレが続く、と私はみています。

 

つまり、現金が安全、という時代から、現金が最も危険、という時代に変わったわけで、大切な資産を守るため、インカム投資が誰にとっても必須な時代となったのです。

インフレ時代には、高配当な投資先にインカム投資をすることで資産の目減りを防ぐことが絶対不可欠です。

 

 

【新NISA=Jリート】

 

ところが、安定高配当でなおかつ為替リスクも無い投資先を探すと、国内にはそのような投資対象が現在殆どありません。国内債券は皆、利息が少な過ぎて運用にならない。

 

だからJリートの高配当に着目しているのです。Jリートの株価(投資口価格)は時に大きく変動しますが、配当は実に安定感があります。その点が例えば高配当株とは大きく異なる。

この利点を活かし、Jリートを高配当の国内債券と見做し、長期インカム投資の投資先として用いるのです。

一度買ったら何十年も長期保有、買った値段は忘れましょう。保有しているだけで、今なら毎年約5%もの配当がもらえ、新NISA成長枠で買えば、配当課税も全額免除!

新NISAは、Jリート投資のための制度と言っても過言ではない!

 

リート各社は長期的には、スケールメリットを求めて資産拡大による外部成長を目指します。長期保有すれば株価も上がり、キャピタルロスはまず出ないと考えます。

 

 

【足元のJリート市況】

 

市況についても一言。

REIT指数がここ数年下落してきたのは、コロナ禍と、日銀による利上げへの懸念からです。リートは「利回り商品」、金利上昇には弱い。

でもだから今、株価は下がり安く買える、高利回りで買えるのです。

足元の急騰は、1月利上げで一旦悪材料が出尽くしたことと、海外ファンドによるTOB、でJリートの安さに注目が集まった、など一時的な要因です。

また安くなるでしょう。

 

一方で、リート各社の業績は悪くない。

主力のオフィスリートは賃貸市況回復、また、ホテルリートは絶好調です。

 

 

【さいごに】

 

インフレの下では、せっかく頑張って貯めたお金も、現金のまま放っておいたら、毎年毎年消えていきます。

皆さんは、それで平気なのですか。

何のために頑張ってきたのですか。

 

私は、投資の学びは今や、仕事よりも大切、とさえ思います。

仕事が忙しくて・・、じゃない、逆だ!

仕事してる場合じゃありません (笑)。

 

インフレ時代に転換した今、資産が大きく目減りする前に早急に投資を学び、インカム投資の体制を整えることが、皆さんの人生にとって、喫緊の課題なのです。

 

皆さんが投資で成果を挙げること、それが本物の投資教育者、株メンターのゴールです。

共に学びましょう。

 

 

 

以上、株メンターⓇでした。来月もお楽しみに。