· 

円高というより、「危険なドル安!」

147円台の円高。 だが

これは、インフレを気にする日銀のせい、ではない。

 

円高ではなくドル安だ。

 

米景気に対する不安、トランプへの不信、の表れだ。

関税を本当にかけると最後通告をした今週初から、

ドルインデックスが急落を始めている。(図:日足)

 

 

トランプ関税の影響により、

物価が高騰する中、消費が抑制され、

景気後退を招く、つまりアメリカが

スタグフレーションに陥ることを

市場が織込み始めたためではないか。

 

長期金利が足元低下傾向なのに、

株安が続いているからだ。

 

 

すると、このドル安は危険である。

 

 

アメリカから、資本が逃げ出す、

世界中でドルが嫌われる、つまり

基軸通貨、ドルの信認失墜、とも

受け取れるからだ。

 

 

 

アメリカはそもそも、財政赤字・貿易赤字と

双子の超赤字国。世界一の大債務国。

 

そして、特にリーマンショック以降、

異常なほど、FRBはプリントマネーを繰り返した。

 

本来、ドルが強い今までの状況、こそ異常なのだ。

 

それを支えているのが、ぼんやりとした

この「基軸通貨への信認」だ。

 

 

 

ドルが、トランプ発のスタグフレーションにより

世界中からの信認を失ったら、

アメリカは国家としてファイナンス出来なくなる。

 

するとドルは、瞬く間に紙クズと化す。

 

ドルの信認失墜は、アメリカの終わり、を意味する。

 

 

 

世界の覇権国がその地位を降りる時、とは、

その国の通貨が基軸通貨の地位を失う時だ。

 

イギリスポンドが100年前に、そうなった。

 

 

 

 

トランプよ、景気とは人の気持ちだ。

景気の”気”の字は、気持ちの気。

 

関税等の政策で壊した景気を、自分の一存で、

「やっぱ関税やめた」で、すぐ

元へ戻せると考えるのは、間違いだ。

 

 

今、急速に、人心は離れているぞ。

HEROだったイーロンマスクも、強烈に嫌われ始めた。

 

 

景気の”気”、マインドは、

一旦大きく壊れると、そう簡単には修復できない。

 

 

関税延期、は株急落でトランプが戸惑い出した合図ではないか。

間違いはすぐ直せ、取り返しがつかなくなる前に。